April 7, 2017

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レポ:APP World Tour Japan Pro-am 2017

レースレポート
APP JAPAN
2017/05/06.07

Association of Paddlesurf Professional
APP World tour(レース世界ツアー) の第2戦目、APP in JAPAN がゴールデンウィーク末に湘南片瀬東浜海岸でキックオフ。

片瀬東浜は普段は、湾のように江ノ島と漁港に囲まれた、落ち着いたタウンビーチ。20代中盤まで出ていたライフセービングの競技者時代は、西浜や鵠沼には幾度となく大会や練習で入ったことはあるが、東浜に入るのは初めて。まさか、ここでスタンドアップパドルのレースをして、しかも世界ツアーが開催されるとは当時には想像もしてない。


Day1 Long Distance 10km
クロスオン8m予報 
日中、実際の最大値は15m超えだったらしい。

砂まみれを避けるために、お世話になっている友人の家でハイドレーションを準備。いつものミネラルタブレットを溶かした飲料を500ml(レースは涼しかったので250mlほどで済んだ)。それと自作の決戦用MIXジェルを準備した。

会場は、時間の経過と共に風が強く吹き荒れる。ビーチは砂ホコリが舞い、ブーステントは揺れ、メーカーのバナーフラッグはビンビン。目に砂が入るのは当然、荷物は砂まみれ、選手のボード達は整然と風上に向かって寝ている。ブイ設置、距離確認ではオーガナイザー、スタッフの苦労を察する。ほとんどの国内レースと違い、スタートまでは時間の余裕がある。男女レースも時間が分かれていて、かつ女子が先のスタート。男子は昼過ぎスタートの案内だ。僕としては、此処までの移動の疲労回復の為にこの時間がありがいと感じた。朝7時に朝食を頂いたが10時過ぎ頃、再度腹にエネルギーを入れる。

コースは約2kmを変則的に5周。第①ブイに対して右手沖側から常に押し付けるような風とウネリのアップレグ。第②ブイへ向かって登り角度35度くらいのダウンレグ。第③④⑤⑥⑦ブイはW字にブイを周回。この辺は横風の影響はさほどなく、波が合えば充分にスウェルライドできる。時には第④⑥ブイ付近はブレイクもしていた。

コースは全5周のうち、1周だけ選手各々好きな周回にショートカットが出来るスーパーラップ方式。どの選手もその1度だけ第③ブイからSブイへショートカットが出来る。
どの周回でそれを選択するか、誰と競いあっているのか、自分自身の体力とメンタルではどこが有効なのか、判断材料は沢山あるが、結果が微妙に変わって来るのが非常に面白い。最初から何周目と決めるタイプも居ると思うが、僕はレース中に直感で判断している。

まずはスタート。

日本でこれまで開催されてきたどの国際レース以上に、ワールドツアー参戦中の選手のスタート位置のプライオリティーが高い。当然だろう。

スタート地点に総勢約50名の参加者がワサワサとひしめき合い始めたころ、この世界ツアーメンバーが1列目に並んでいる。有利な風上から順に。確かに、スタッフが名前とゼッケン番号も確認しているので、おそらく自分はその中には紛れ込めない。

その時、日本人参加選手は2列目に、という情報も流れた。いや、それは無いだろうと思っていると、確かに50名が横に並ぶ幅はどう考えてもない。ギュウギュウでも30名分くらい。
 
結局、スタート3分前には、風下だとしても1列目でスタートラインナップする日本人数名。そして、後発だとしてもより有利な風上側からスタートを試みる日本人参加選手がパッと見て、3列?4列?くらい重なり合って、落ち着いていたように記憶している。

 ここで僕は現状を受け入れ作戦変更。選手全員の邪魔をしないようにワンテンポスタートを遅らせ、全員が海に飛び出したあと1人砂浜を風上に走った。頃合いを見て入水。少しでも江ノ島側を漕ぐことで、沖で吹き荒れる横風をなるべく受けないコースを取った。女子レースで風下に流れる様を見て判断した。万が一これが功を奏せば①ブイを1位で行けると踏んだ。

 波をいくつか越え、ブレイクラインを終えて、全体にボヤッと視野を向けると、自分の10時方向50mくらい前方を集団が漕いでいる。カレントリーダーのMO(FOCUS)のイエロージャージが先頭付近にいる。コナ−(スターボード)の青ボードも見えた。その後ろを40mくらいの範囲で20名ほどが集団で漕いでいる。日本人も6名ほど混じって好戦しているのが見えた。中には若手のカイトとケイもしっかり混じっているのが見える。これには大いに励まされ、自分も鼓舞する。
 結局、ここでの順位的にはスタート作戦の効果は出なかった。レース後にお立ち台でスタートのことを英語で頑張ってどう話そうか考えてながら漕いでいた自分が笑える。そんな感じで気持ち的には落ち着いて全体を把握しながら漕げたのでOKだ。だが、誰にでも勧められる方法では無い。

 第1ブイ付近は、近づくほどに風とウネリが強くなる。パドルは左片漕ぎ、かつそれでも左に船首が向いてしまう為、水を外側に漕ぐ。幾人かの選手はその中でも真っ直ぐ漕いで進んでいる。方向修正の為にパドルするのと、進む方向に対し真っ直ぐに漕いでいるのでは、後者のスピードが明らかに速い。漕げば漕ぐほど差が出る。中でも、マイケルブース(スターボード)は右漕ぎを普通にしているのに感心した。姿勢も深い。低いではない、深い。強い。パドルの角度も無駄がない。真剣なレース中に間近でこれを見るのは、説得力が半端ない。

 真っ先に第1ブイを周回したコナーが弾丸のように走りさる。アップでは5mの差が、ダウンでは50mに開いてしまう。ここまでギツギツに縮まったバネが、一気に伸びきったように集団がばらける。結局、僕は大集団の後方で第1ブイをターン。
 前後のバラけ具合は勿論、真っ直ぐな風では無いので、かなり左右にもバラけている。ここから第2ブイはまったく目視出来ない。砂浜のギャラリーと大会ゲートを大体の目標にして、風上に風上に走るダウンウィンドレグの始まり。

風に任せてのれば腰越漁港に一直線なので、それは出来ない。あまりに風上に漕ぎすぎてもウネリに乗せられない。多少の角度は下っても、捉えられそうなウネリに乗って、乗りながら風上に方向修正。そして下って、修正、の繰り返し。

練習では45度までやっているから問題ない。が、1周目は、かなり用心して登ったため、第2ブイは思った以上に第3ブイ寄りから入ってターンした。ここで、2周目からはもう少し登る角度を緩めても良いと考えた。ダウンレグ全体の砂浜側半分は風が弱まる分、軌道修正は容易なので、沖側ではなるべくうねりに多く乗った方が速い。

 この第2ブイの時点で、トップはW字の終わりころだろうか。とにかく、前の選手に追い着くことに集中。その時目に付いたのは数名に居る中でも、ノアホッパー(404)のキャチ−なピンクのキャップ。自分に比べ、頑張れば届きそうないい距離に目視し易いイイ目標ができた。その前方には座間味のレースで仲良くなったダニエル(スターボード)らしき人物も居た。

 第7ブイを超えると、選手は一様に江ノ島側へ膨らみながら漕ぐ。若干膨らむ人。大きく回り込む人。荒れたコンディションではドラフティングが無い分、選手それぞれの選択で順位が変わるのが面白い。アップでは心拍数が安定したため水分を飲み込み易かった。アップレグで水分補給することを決めた。決戦用ジェルは3、4周目に少しずつ飲んだ。
 
1周で10kmや20kmを漕ぐダイナミックなレースは勿論面白い。だが、アップとダウンの細かい繰り返しを周回で行うスタイルのレースもスキルフルでドラマチックで面白い。レースは1時間以上あるので、その間も風の強弱も若干のズレもある。MOやコナ−は、おそらくそれも感じ取りながら、微妙に修正しながら漕いでいるのだろう。後ろの選手は、前の選手を判断材料にすることが出来るが、トップは自分の判断のみだ。

 結局、スーパーラップは最後に使った。侮る無かれ、なんと距離の短いスーパーラップがきつかった。なぜなら、ショートカットする分、江ノ島側に迂回することができないため、Sブイ付近から強い横風と横うねりをまともに受けることになる。でも、それは全員が一緒だと言い聞かせ、前方のノアに集中する。

 最後は第3ブイを回って、そのままビーチへランニングフィニッシュ。仲間が迎えてくれた。1人ではスタートにすら立てなかったであろうレース。周りの応援あってこそのゴールだ。

 落ち着いた後、MOとコナ−の劇的なフィニッシュを聞いた。何があるか、分からない。最後までやり切る。お互いに讃え合う。いいスポーツだなと思う。一緒のレースを出来て良かったと思える。一緒のラインナップに立ったすべての参加選手が誇り高く、今後の励みになる。

 

 

 

DAY2
スプリントレース

1日目と風向きは変わり、若干穏やかな海に、多少のウネリが残っていて波が割れている。コースはM字約300m。ウェブでの発表から修正となり、実際にはコースマップの矢印を逆に進むコース。

波は大きくは無いが、スタートで2回くらいのブレイクを超え、砂浜に向かう最後の直線では、セットなら第3ブイターン後にうねり乗せてそのままフィニッシュできるくらい。

約50名ほどの参加者は6ヒートに分かれ、どのヒートも4人アップ。最初だけ、通過出来なかった選手は復活戦を行い、第2予選にコマを進める。復活戦をせずに、第1予選を抜け、誰もがぜひとも決勝の最後までやりたい。

 ビーチスタート、スタートダッシュ、ブイターン、駆け引き、サーフスキル、体力、そして最後波打ち際のラン。たったの300m、時間にして数分に全部が集約。スプリントレースでの1秒の差は順位の大きな差になる。

 ここでは、チームメイトということもあるが、MOが主役だった。前日の激しいレース。そして予選でボードが折れるアクシデント。急遽借りたボードでの勝負。誰よりも滑らかなターン。決勝では前を漕ぐ弾丸キャスパー(ナッシュ)を途中で抜きつつ、後ろからコナ−が迫る中で波を捉え、十分すぎるほどドラマティックな優勝だった。

 今年の成績をもとに、昨年から何を変えたのかを聞いた。個人の元々のキャラは変わっていないが、トレーニング内容、レースへの姿勢、毎日の行いが洗練されていた。すべてが勉強になる。自分も試し、噛み砕き、理解し、多くの仲間に共有していけるようになりたい。

 世界選手権まで、海外の選手と戦える機会はおそらくこれが最後。GWという厳しい時期だったが、9月まであと4ヶ月ほどのこの時期に、この大会に参加できたことは意味合いが非常に大きい。戦うための貴重な経験とモチベーションを得ることが出来た。周りへの感謝は尽きない。ライブ世界配信、MC、ドローン撮影、カメラマン撮影、賞金、参加選手など、どれもこれも大きな規模で面白かった。

 大会を運営して頂いたAPP始め全ての方々、いつもサポートして頂いているチーム、一緒に漕ぎきった選手、仲間達、そして自分の誕生日に関わらず気持ちよく背中を押してくれた妻と家族に感謝したい。

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